「どうしたの?」
再びいま来た道を振り返る琢己を、悠美がいぶかしんだ。
「いま、変な女がいたからさ。なんか気になっただけ」
「変な女?」
「ああ、別になんでもないから」
そうこたえた琢己の顔は、確かに含んだものを持っていなかった。
少し安心した悠美は、忘れていたことを急に思い出して話題を変えた。
「そう……あ、そうだ。聞いておきたいことがあったの、忘れてた」
「なに?」
「うん……呪いをかけて人を殺した場合って……罪になるのかな?」
「ならないよ」
琢己の答える口調がそっけなかったのは、呪いという行為じたいに嫌悪感を抱いていることに他ならない。
それは、悠美自身を好きとか嫌いとかいう問題とは、別次元にあった。
「あたしのこと、嫌いになったでしょ」
不機嫌を敏感に感じ取った悠美は、自嘲気味にそう言った。
琢己は返事をしなかった。
再びいま来た道を振り返る琢己を、悠美がいぶかしんだ。
「いま、変な女がいたからさ。なんか気になっただけ」
「変な女?」
「ああ、別になんでもないから」
そうこたえた琢己の顔は、確かに含んだものを持っていなかった。
少し安心した悠美は、忘れていたことを急に思い出して話題を変えた。
「そう……あ、そうだ。聞いておきたいことがあったの、忘れてた」
「なに?」
「うん……呪いをかけて人を殺した場合って……罪になるのかな?」
「ならないよ」
琢己の答える口調がそっけなかったのは、呪いという行為じたいに嫌悪感を抱いていることに他ならない。
それは、悠美自身を好きとか嫌いとかいう問題とは、別次元にあった。
「あたしのこと、嫌いになったでしょ」
不機嫌を敏感に感じ取った悠美は、自嘲気味にそう言った。
琢己は返事をしなかった。



