いまの宇野の言葉は、マスコミを食いつかせる魅力を十分すぎるほど備えている。

(どうする?)

判断に迷う宇野の目に、校舎から逃げ出してくる生徒らの姿が映った。

「インタビューしろ!」

「待て!」

宇野の制止を振り切って、レポーターとカメラマンはその群れに飛び込んでゆく。


これ以上は宇野にもどうすることも出来ない。遅かれ早かれどうせ広がる噂だが、

(いまはマズイ)

と、唇を噛んだ。