ダーク&ノイズ

「さっきの時間の確認、こっちでも何かあったんですね」

「ああ、三人が同時に錯乱状態になった。申し合わせてやったのかと思ってな、お前に確認したんだ」

(呪いがかかった人間全員が闇と音を感じる……か)

「同時刻だったよ。こっちも17時5分、ちょうどだった」

なんのことはない。悠美たちの言葉をいまごろ裏付けたにすぎないのだ。

「川田さん、もしですよ。もし……の話ですが」

「俺もな、それを考えていた」

二人は申し合わせたように唾を飲み込んだ。ここからは警察の捜査とはまったく関係なくなるかも知れない。

「どうします?」

「どうって……さしあたり、その呪いを行うって言われてるのは水沢神社だろ?」

「行ってみますか?」

その言葉を聞いて、川田は窓に目を向けた。

夏とはいえ、すでに夜のとばりが降りている。

「よし、行こう」

川田はそう言ったあと、唾を飲み込んだ。