─ 新学期 ───
私は、まだ馴染まないブレザーを着て交通量の少ない歩道を歩いてる。

少し散り始めた桜を見ながら、不安と期待で胸を一杯にしていた。


‥‥─ドスッ───
「ひゃッ!‥‥」
思わず叫んでしまった私。そんな私の横から

『ごめんなさい!』

と、大きな声が飛んできた。
『あっ!!同じ制服だ!!』
大きな声の持ち主は、すぐ続けて言葉をつなげた。

『双葉高の新一年生でしょ?!
サミロングのキレイな髪の毛を耳にかけながら、私の顔を覗きこんできた。
「え‥‥っあ、ハイ!!」

いきなりの問いかけにびっくりし、つい敬語になってしまった。