あたしは
その場を離れようとした。


「アキ…
待って」


「や……
ごめんなさい
あたし帰る…」




「待てよっ…」



がしっ



「や……っ」



コンビニを出た所で、

腕を掴まれた。



「ナオ、放して…」


「じゃあこっち向けよ」


「…なんで…
いるの………?」


「アキ…聞いて?」


もう やだ

ナオの話なんて

聞きたくない。



「放してよ…っ」


「離れて気づいた。
俺には、アキが必要なんだ。」



何…言ってんの?


今更…そんなこと…


「あたしに…は…
ナオは必要ないから…!」


あたしの言葉に
ナオの顔が歪んだ。


「…アキ」


ナオ、そんな顔しないで。

あたし

ちゃんと吹っ切れてない。

でもあたしには、
ナオ以上に

大切な人が出来たから。



「ナオ、
幸せになってね。
あたしも、
ナオに負けないくらい
幸せになるから。」



あたしは
ナオの手を振り払った。



「さよなら、ナオ」



もう、
振り返らない。