銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

「まぁお前らん家の家庭事情なんて俺は知らねえがよぉ。」

新しい煙草の箱に手をつけようとする独楽。

「そうですね。この話は置いておいて、本題に入りましょうか。」

独楽が取ろうとしていた煙草の箱を右足で踏み潰す神灯。

「あがっ」

顔を歪める独楽。

茶亜夢は独楽の顔を見て思わず噴出す。

「神聖な望鏡内では禁煙です。
慎みなさい裡音。」

独楽は中指を突き立てると、ブーブークレームを言う。

「では、長くなりましたが本題に入りましょう、椿。」

「えっと……つい先日、爾来様の支配者の能力と神の身体とのバランスが損なわれ、
体調が少し悪くなったとのことで……

そこで爾来様は人間界に特設したサイトのアンケートにより、
最も支配者に相応しい体質の人間を見つけました。

その者は白江 美紗。

市立世臨中学に通う女子中学生です。

爾来様はその者に支配者の能力を預けた。

しかし白江 美紗は支配者の能力を爾来様に返還したいと申している。

それは

No.2 新王・白露 鎖葉斗

No.5 飾雨・キャルナス シャルドネ

No.10 明倫・七瀬 香

No.11 式部・霧草 忍

以上の爾来様反対派の四名が白江 美紗を、脅迫したからだと思われる。」