銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

「茶亜夢、わかってねぇな。

コイツは大の女嫌いだろぉ?」

まだ眠っていなかった独楽が笑いながら茶亜夢を見る。

「式部、名を霧草 忍。霧草宴の八代目当主にして……」

新しい煙草を箱から出す独楽。

「狂乱、霧草 椿の妹ですよ。」
「……」

神の声はNo.3の男の心の穴を貫き通し、新たな罅を作った。






場所は戻り世臨街。

駅についた、美紗と間口、めちるは、白露鎖葉斗と真田 真帆こと、
No.11・式部の霧草忍を待っていた。

美紗は待ち合わせ時間から20分経ってもやってこない2人に、
キレようと決心したその時だった。

「遅くなってごめん!」

声の持ち主は真帆。

「おそ……い……」

美紗は怒鳴ろうと思ったが、真帆の服装と持ち物に驚愕して声が途切れた。

「なんだよ真田、そのわけわかんねえ形の剣は。」

間口がツッコミを入れた剣は、真帆が背中にしょっているものだった。

此の剣は形が誰がどう見ようと普通じゃなかった。

不規則に、無数に枝分かれした刃に、所々に貼られている魔札。

札には

『拾壱花』

『伍拾参花』

等の数字が書かれている。