銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

「独楽(こま)、どうでもいいだろんなこと。

他の盆暗どもなんて知るかっつの。

俺はさっさと殺りあいてーんだよ。」

右側の席に座っている、長髪を緑色に染め、
赤色のゴムで束ねている二十代前半の男がさっきの独楽という男に言う。

此の男は紺色のデニムのGパンに、
黒い革ジャン、中に水色のTシャツといった、
いたってシンプルな格好。

右手と左手を血のついた包帯でまき結んでいる。

独楽という男とは正反対で、服装に特に拘りは無いようだ。

所で、此の男……誰かととても顔が似ている。

「ふふふっ、それは同感ですの。椿も偶にはいい事言いますの。」

声を上げたのは赤と黒が入り混じったドレスを身にまとい、
ピンクのフリフリの傘を持った
水色の髪をサラサラに伸ばした女子高校生くらいの、妖艶な美女。

金色の瞳を目配せさせながら、椿の顔を覗き込む。

「あ、ああ……」

椿はそんな茶亜夢という女を見て鳥肌をたたせる。