間口は美紗の瞳を見て鳥肌がたった。

今の美紗の瞳は間口が美紗のことを恐れるきっかけになったものだった。

でも今の間口は恐れなかった。

あくまで美紗を受け入れようと思った。

「じゃあ早速だけど明後日、世臨駅でね。
荷物はいっぱい持ってきてね、長い旅になるから。
当分は帰れないつもりでね。」






美紗は駅に向かって歩き出そうとしていた。

「よぉ。」
「?」

美紗が後ろを振り返ると、立っていたのは間口。

「何?」

「迎えにきたんだよ。何時お前が狙われるのかわかんねーだろ。」

少し大げさと思ったが、美紗は間口と二人並んで、
歩くのが久しぶりだったから嬉しかった。

こうして横に並んで歩くのは“あの日”以来だったから。

「……」
「……」

しかしやはり会話につまり、沈黙になってしまう。

「……あ、あのさ、なんで星野君と仲良くなったの?」
「は?」

美紗の唐突の質問に、眉をピクピクさせる間口。

「ほら、あたしとその……付き合ってた頃は仲良くなかったじゃん。」

間口は少し何か言いかけたが、口を閉じなおした。

此の美紗の一言から数分後、間口は口を開いた。

「星野とは……」「わぁっ!」

驚き飛び跳ねる美紗。

なんなんだろう、此の二人は。