銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

何れもウィオが造った機械人形だ。

かなり出来が良い。

応援を呼ばれる前に三体潰したいが。

『中断。

防御壁ヲ発動シマス。』

援軍要請を中断し、機械人形は新人さんの周りに空間防御壁を発動する。

新人さんの讃神聯鎖は周囲の大気や空気を拳に吸収し、大爆発を起こす技。

周りに防御壁を張られた事で、大気や空気が此の限られた空間の物だけになってしまった。

(やば……)

天武は内なる天力のテクトを武道と組合せ発動する。

技を一旦、発動させると、肉体内のテクトは“其の技”の為に活発に活動する様になる。

一度活発したテクトを別の技の為に再度活発させるのは普通は出来ない。

つまり、新人さんは讃神聯鎖を使い続けなければいけない。

『やばいですねー。

どうしますか?』

微笑しながらキャルナスさんが聞いてくる。

解ってるならわざわざ聞かなくて良いのに。

『助けるに決まってます!』

私は魔器の蠣音は使わず、機械人形に効果的な武術で戦う。

武術は得意じゃないけどね。

『万事の神を拳に宿し。

百獣の魂を身に纏え。

ヴァリド・ローブ』

キャルナスさんの詠唱が聞こえる。

私の両拳に青い炎が立ち込める。

身体向上魔法だ。

身体向上魔法はそのまんま。

身体内の力を魔の力で意図的に向上させる物。

キャルナスさんのかけた魔術で、私の中の武力が向上したんだ。

『でりゃあああ!!』

右手に力を込めて、男型の機械人形の胸に殴りかかった。


バキ


打ち砕かれた機械人形、破片と爆炎の旋風が其処らを駆け巡る。

そのまま私は拳を振り翳し続け、新人さんが閉じ込められた防御壁に殴りかかる。


ボォォオ


防御壁の澄み切った光と、私の青い炎がぶつかる。

だが、意外にも早く、防御壁は段々と、罅割れ始める。

『っしゃあ! 讃神聯鎖!』

新人さんの天武の技・讃神聯鎖で私を後押しする。

讃神聯鎖は周りの大気の流れを自らの足に集中させ、より速く、より高威力の蹴りを生み出す技らしい。