銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

『イエ、見タトコロ、侵入者ト協力関係ニアルト。

次ノ指示ヲオ願イシマス。』

少年……ウィオ・シェルダンは、箱型の機械をジーッと睨む。

シェルダン家は優秀な逸材の宝庫と恐れられる、魔界の元上級貴族。

今は昔の様な華やかさはどころか、シェルダンの性を名乗るのは此のウィオだけになってましった。

そんな彼は傀儡師と呼ばれ、機械造りの人形を産み出し、操作する術を心得ている。

此の箱型の機械もまた、彼の作品……

いや、見たところの造りでは、彼にとってみれば、お遊びで造ったにすぎないのだろう。

『じゃあ、支配下三人が誰かサーチし……』

『No.2ノ赤月 万里、No.5ノキャルナス・シャルドネ、No.10の七瀬 香かと思われます。』

ウィオの言葉を遮り、素早く機械は答えを述べた。

然し、彼は其れが気に喰わなかったのだろう。

ぷかぷかと垂直に上げ下げする機械は、造り主の手により、一瞬で動きを固定させた。

真っ二つに割れ、床に落ちて粉々になった。

破片が散乱し、コードがバチバチと音を立てた。

『煩いなぁ。

でも裏切りねー……

まぁ興味無いからいっか。

僕は僕の“願い”の為に、日々精進しないと……ね。』

コードを炎属性の魔術で瞬く間に灰に変えると、ウィオは本を読み始めた。






『侵入者発見。

応援ヲ要請シマ……』

『天武之弐道・讃神聯鎖(さんしんれんさ)』

王立図書館警備の機械人形と出会した私達。

対魔術を兼ね備える機械人形の鋼の肉体には、鎖葉斗君とキャルナスさんの魔術はあまり適さない。

私の魔器も効果が今一期待できないので、武術屈指の新人さんが機械人形を食い止める。

敵は二体。

一見、事務員の様な身なりをした女型の機械人形と、警備の服装をした男型の機械人形。

普段は何も普通の人間と変わりないが、いざ、戦闘となると銀色の肉体が露わになる。