銀鏡神話‐翡翠の羽根‐

『ええ。

先ず……は。

外界と下界の仕組みは解りますか?』

外界は、人間界、鏡界、魔界の三界の事。

下界は、死界、悪界の二界の事。

外界には天の陽から放出される“テクト”で、身体維持をする事が出来ます。

対する下界は、罪の重さ、欲心や疑心、死力から形成される“ギラテクト”によって、身体維持を可能とします。

テクトとギラテクトは、どちらかが増えれば、どちらかが減る関係に有る。

テクトが増えれば、外界での身体維持は可能になるし、身体の成長もできる。

ギラテクトが増えれば、下界での身体維持が可能になるし、身体は成長する。

けれど、二つは共には増えられない。

外界にいれば其の分、ギラテクトは無いから、下界での身体維持が難しい。

だから死ぬ時にギラテクトは備わるが、大抵の者は躰が溶け、化け物と成るのです。

逆に下界で月日を過ごした者は、テクトが不足し、外界での成長も遅れる。

下界から外界に行くと、身体が退化する場合も有ります。

要は、テクトとギラテクトの比率が五分五分だと、外界と下界を行き来する者には丁度良いのです。

万里は下界に一度も行った事が無いから、テクトのみに支えられています。

此処で私達のギラテクトを万里に注げば、大体、テクトとギラテクトの割合は五分五分。

万里は下界に行く事が可能になります。

そのまま空間転移盤に乗れば、死なずに死界に行けますし。

鎖葉斗は万里を殺したと偽り、代わりにNo.2と称号を貰い、爾来との接触を謀ればいいし、万里は其の間、死界で手掛かりを探せば良い。』

あっさりとこんな凄い方法を話したキャルナスさん……

此の人、本当に何者って感じ……

本当の天才って云うのはこういう人の事なのかな……


バンッ


愕きに心を震わせる中、意外な人物が何故か、吹っ切れた様に怒鳴った。