哀歌の終曲────
「赤月。 君は今、どうしてるの?
僕を……見つけられたの?」
窓辺に寄りかかりながら、鎖葉斗は夜の空を見た。
二日目の晩。
明日は独楽と戦わなければならない。
(出来たら戦いたくないな。
赤月に独楽の事任されたし。)
理由を説明したいけど、今は其の時じゃないから。
「赦雨薇唖」
《なんだぁぁああ?》
アスファルトの壁に耳を付けた。
隣の部屋に閉じ込められている赦雨薇唖の声が聞こえる。
「僕って、誰何だろうね?
何時から僕は白露 鎖葉斗に成ったんだろう。」
暫く赦雨薇唖から返事が無かった。
てっきり無視されたかと思ったけど、数分後に返事がきた。
《俺が知ってる限りじゃぁぁああ、やっぱり“リアノ”に逢った頃からぁぁああ、お前は白露 鎖葉斗に成ったんじゃねーかぁぁああ?》
リアノ。
僕を実験施設から連れ出してくれた恩人。
黒いヴェールに顔を包んだ、黒髪の女だった。
彼女がと交わした言葉は数えられるくらいの物だった。
・
・
・
・
・
・
『貴方は普通じゃないの、D-R57。』
『普通じゃないの?』
『ええ、貴方には魔王の血が流れてる。』
『僕が――――?』
『えぇ。そこで世界をちょっと壊してみない?』
・
・
・
・
・
・
此だけの物。
お陰様で僕は自由有る外の世界に出られたけど、其れからはリアノにとって僕はお払い箱。
何たって僕には魔王の血なんか流れてないから。
魔王の歴史を調べたら、魔王の子孫ははっきりとしてる。
僕みたいな子孫はいなかった。
何でリアノがそんな勘違いしたのかは謎のままだけど。
「赤月は僕が誰だか探しに逝ってくれた。
赤月は、良い人だった。
また逢えたら償いたい。」
アスファルトの冷たさにそのまま溶け込み、僕は眠りについた。
「赤月。 君は今、どうしてるの?
僕を……見つけられたの?」
窓辺に寄りかかりながら、鎖葉斗は夜の空を見た。
二日目の晩。
明日は独楽と戦わなければならない。
(出来たら戦いたくないな。
赤月に独楽の事任されたし。)
理由を説明したいけど、今は其の時じゃないから。
「赦雨薇唖」
《なんだぁぁああ?》
アスファルトの壁に耳を付けた。
隣の部屋に閉じ込められている赦雨薇唖の声が聞こえる。
「僕って、誰何だろうね?
何時から僕は白露 鎖葉斗に成ったんだろう。」
暫く赦雨薇唖から返事が無かった。
てっきり無視されたかと思ったけど、数分後に返事がきた。
《俺が知ってる限りじゃぁぁああ、やっぱり“リアノ”に逢った頃からぁぁああ、お前は白露 鎖葉斗に成ったんじゃねーかぁぁああ?》
リアノ。
僕を実験施設から連れ出してくれた恩人。
黒いヴェールに顔を包んだ、黒髪の女だった。
彼女がと交わした言葉は数えられるくらいの物だった。
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『貴方は普通じゃないの、D-R57。』
『普通じゃないの?』
『ええ、貴方には魔王の血が流れてる。』
『僕が――――?』
『えぇ。そこで世界をちょっと壊してみない?』
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此だけの物。
お陰様で僕は自由有る外の世界に出られたけど、其れからはリアノにとって僕はお払い箱。
何たって僕には魔王の血なんか流れてないから。
魔王の歴史を調べたら、魔王の子孫ははっきりとしてる。
僕みたいな子孫はいなかった。
何でリアノがそんな勘違いしたのかは謎のままだけど。
「赤月は僕が誰だか探しに逝ってくれた。
赤月は、良い人だった。
また逢えたら償いたい。」
アスファルトの冷たさにそのまま溶け込み、僕は眠りについた。


