「白江殿!!」

「!!曼陀羅……」

元の世界に帰ってきた私を、一番最初に出迎えてくれたのは曼陀羅。

ちょっとしか記憶の世界に行ってなかったのに、やけに曼陀羅が懐かしい。

「ミサ!! 帰ってきましたね!!

良かった……」

キャルナスさんが私の手を取る。

そんな彼の後ろにいるのは……

「白江様……おかえりなさい!」

綾瀬 めちる。

ゴシックロリータが良く似合う、金髪の女の子。

彼女もまた、私を快く出迎えてくれた。

「美紗ーっ!!」

「わっ」

飛び掛かって来たのは真帆。

一番の親友との再会(といっても数時間の別れだったが)

皆の温もりが伝わってくる。

私の居場所はやっぱり此処しかない。

皆の居る此処が、私の最高の居場所。

あんな記憶に無い古城何か忘れよう。

嫌な夢だったんだ。

「美紗!!」

「!! 間口!!」

やっと、やっと目を覚ましたんだね。

遅いよ! 心配させてさ!

私は思わず間口に抱きついてしまった。

「ばばばやめろって!

俺、便所行ってくる。」

また間口はお手洗いに行ってしまった。

……あれ?

何かが足りないよ。


『また吾平君はお手洗いですか。』


何で? 何で?

貴方は何処へ行ったの?

「……鎖葉斗君は?」

私の問いに皆は顔を伏せる。

嘘? なんで鎖葉斗君が居ないの?

「鎖葉斗は、帰って来ない。」

キャルナスさんが、今まで見せたことが無い様な、真剣な顔をした。

帰って……来ない?

彼の鎖葉斗君だよ?

普通出来ないような事を、まんまとこなしちゃって……

何時でも頼りになる、鎖葉斗君だよ?

鎖葉斗君はあたしの中では……最強なんだよ?

「……美紗。白露はもう……」

真帆が涙目だ。

でもやめて……

此の先は言わないで……

一番頼りにしてた。

鎖葉斗君があたしを助けてくれると思ってた。

なのに……莫迦……

鎖葉斗君は大嘘つきだ。

あたしを助けてくれるって言ったのに。






鎖葉斗君が居ない最中、私達の旅は再び始まった。