執事の名のもとに







トップ3は個室がもらえた。 



だからこの部屋は俺ひとり。 



ジャージに着替えて外に出る。 



部屋を出た時ちょうど隣の部屋から敦も出てきた。



お互い目が合ったが俺は何も言わずに横を通り過ぎた。 



「晴馬…。」



名前を呼ばれて振り返る。 



俺を呼んだにも関わらず、敦は黙ったまま。 



「人の名前呼んどいて、無言?話がないなら行くよ?遅刻は嫌なんでね。神崎くんも行かなくていいの?」



それだけ言うと俺は歩き出した。 



「晴馬。」



もう一度呼ばれたけど振り返らなかった。 



この時から俺と敦の関係が崩れた。 



いや、崩れ始めた。