この想いを君に…4

「大丈夫?」

ゆっくりと歩いてくれたおかけであたしも松葉杖なしで歩く事が出来た。

あたしは頷く。

毎日牛乳を飲んでいるおかげか回復は早い。

上手くいけば次のレースに出られるかもしれない。

光さんは大きく深呼吸をして

「…こういう機会でもないと渡されへんから」

月明かりに照らされた光さんはその整った顔つきが更に綺麗に見える。

あたしの左手をそっと持ち上げると指輪をはめた。

「誕生日、おめでとう。
で、これからもよろしく」

まさかそんなプレゼントがあるとは思わず。

あたしは目を丸くしてしばらく茫然としたまま光さんを見つめた。