「あれ」



そこには確かに人がいた。一組の担任の水口先生。若い男の先生。



「お?南城(なんじょう)じゃん。どしたんだ、朝礼始まるぞ」



先生は教室から出てきた。私は先生を見上げた。



「あの、場所が分からないんです」