ふたり*


 水城が支払いを終えた。



「ほい、果実」



「あ、ありがとう」



私がそう言って両手を出すと、水城はとたんにひょいと上に上げた。



「えっ…?」



「果実」



そんな水城の顔は……真剣だった。