3人がけのソファに私が座ると、奏真君は私の隣に座った。

そして、私の顔を覗き込みながら聞いてきた。

「何がセクハラなの?」


あ、聞こえてた?

でも、体の感触が腕に残ってるとかなんとかって学さんのメールの件を説明するのは、ちょっと恥ずかしい。

私は困って学さんの顔を見た。


学さんはいたずらが見つかった子どものような表情をして、奏真君に言った。

「いや、千夏ちゃんってさ、反応が面白いから、ついからかっちゃうんだよね。
でも、訴えられるのは勘弁だから、ほどほどにしとくわ」


それを聞いた奏真君は笑いながら「そうなの?」と私を見た。

私は苦笑いして頷いた。

「本気で訴えはしないですけどね」


でも学さんは居心地悪そうに、「俺ちょっと」と前室を出て行ってしまった。


なんか悪いことしたかなあ、なんて考えていたら――