私が別れの挨拶を口にしようとすると、学さんはニッコリ微笑んで私の腰に手を添えた。

ほえっ?

びっくりしていると、学さんは私の耳元に囁いた。

「残されたもん同士、仲良くしよっか」


仲良く?

仲良くって、どういう意味?

私は慌てて学さんの手から逃れた。


「なっ、ちょっと、学さん!
いくら周りに人がいないからって、人気俳優の学さんがそんなことしたらまずいですよ!」


っていうのは建前で、本音は、ただ恥ずかしい!

心拍数はどんどん上がるし、顔は熱くなるし。

でも、学さんは飄々と言った。

「千夏ちゃん、この後何もないんだろ?
俺も暇だから、飲みに行こうよ!」

「私、未成年ですから飲みになんて行けません!」

私はきっぱり断った。