あれ?

どうしたんだろ?

あんな石田さん初めて見た。

それに学さんが言った、計算違いって何のこと?

学さん、なんだか石田さんに挑戦的な態度だし、この二人ってなんかあるのかな?

マンガに描いたらきっと私の頭の上には『?』マークがいっぱいだと思う。


「すみません、この後、雑誌の撮影がありますので失礼します」

石田さんは学さんにそれだけ言うと、悟君に声をかけて踵を返した。

悟君は取り繕うように笑顔を浮かべ、私と学さんに会釈して石田さんと一緒に行ってしまった。


取り残された私と学さんは、なんとなくお互いに顔を見合わせた。

あ、なんか、喋らなくちゃ。

「あ、えーと、それじゃ、私もここで……」