「うんうん、そうなのよ、みんなかっこいいのよね~。
主役の悟君は、まだ若くて何にも染まってない無垢な感じで母性本能をくすぐるし、
一方、学君は出来上がった大人の男の色香が漂って、たまらなくそそられるし、
奏真君は爽やかな好青年そのものって感じだし、
淳君はあの笑顔にキュンキュンきちゃうし、
いい男だらけで、たしかにこの中から一人だけ、なんて選べないわよね~」


「そうですね……」


私は同意しながらも、陶酔するように語るナッキーさんをやや引き気味に見ていた。

あれあれ?

ナッキーさんって、うちのお母さんに負けず劣らずのイケメン好き?


ナッキーさんは今度はチークの筆を手にとって鏡の中の私に言った。

「ドラマではヒロインは主役の悟君とくっつくのよね?
まあ、年齢的に一番近いから、妥当なところだとは思うけど、
でもあたしのイチ押しは学君。
27歳のレディには大人の色気のある彼が一番似合うと思わない?」


うっとりと同意を求めてきたナッキーさんに、私はあいまいに頷きながら質問した。

「ナッキーさんって27歳なんですか?」