「こんなの、受け取れないよ。
つけてく場所もないし」
私が学さんにそれを押し返そうとすると、学さんはそっと私の手ごと、大きな手のひらで箱を包みこんだ。
「婚約指輪だから。
持ってて。
今はまだふさわしくないと思うなら、普段はこっちつけてて」
学さんはもう一つ小さな箱を出した。
ええっ?
私が唖然としていると、学さんはそちらは自分で包みを開け、ふたを取って指輪を見せてくれた。
私の誕生石の小さな石のついたファッションリングだった。
「これなら、16歳の千夏にも合うだろ?」
そう言って、さっさと私の手を取り、薬指にはめてくれた。
つけてく場所もないし」
私が学さんにそれを押し返そうとすると、学さんはそっと私の手ごと、大きな手のひらで箱を包みこんだ。
「婚約指輪だから。
持ってて。
今はまだふさわしくないと思うなら、普段はこっちつけてて」
学さんはもう一つ小さな箱を出した。
ええっ?
私が唖然としていると、学さんはそちらは自分で包みを開け、ふたを取って指輪を見せてくれた。
私の誕生石の小さな石のついたファッションリングだった。
「これなら、16歳の千夏にも合うだろ?」
そう言って、さっさと私の手を取り、薬指にはめてくれた。


