女優デビュー

『だから、千夏ちゃんが問題を抱えてるなら、助けたい。
できれば電話じゃなくて千夏ちゃんと目を合わせて話したい。
ちゃんと千夏ちゃんに触れられる距離でさ』

「触れられるって……
なんか学さん言い方がいやらしい」


思わず苦笑いしてそう言うと、学さんは飄々と答えた。


『え?そっか?そんなことないよ……
いや、前言撤回。
ちょっといやらしいこと考えてた』

「な!なに言ってるんですか!
信じられない、もう!」


真面目な話をしてたかと思ったら、急に茶化してきた学さんにあきれて、思わずクスクス笑い声をもらした。


『ハハハ、やっと笑ったな。
千夏ちゃんはそうやって笑ってた方がいい』


そう言う学さんの声を聞いていたら、なんだか突っ張ってたのが馬鹿らしくなってきた。