女優デビュー

私はもう何もかもどうでもいいような気がしてきて、投げやりに言った。

「あのさ」

『うん?』

「ばれたよ。
私の母親がリィラって。
写真週刊誌の記者に」

『え?もう?
これから公表するんじゃないの?』

「社長はそのつもりだったんだけど、楽屋を盗み聞きされたの。
今頃、社長と石田さんが大慌てて対応してると思う」

『ちょっと、今、瑞貴達はそこにいるの?』

「ううん、私は一人でテレビ局出てきたから。
社長達がまだ楽屋にいるのか事務所に戻ったのか、知らない」

『わかった。ちょっと瑞貴に連絡してみるわ。
この電話切るわね』

「うん、じゃあね」