学さんがそう言い終えたとき、私達は部屋の前に着いた。

私が頷いて楽屋のドアに手をかけると、中から大きな声が聞こえてきた。

私は驚いて手を離し、怒鳴り声ともいえるその声に聞き耳をたてた。


「社長、お願いします、考え直して下さい!
千夏はいい感じで人気が出てきてるんです、ブログのアクセスもコメント数もおとといあたりからうなぎ登りなんです。
どうかこのまま見守って下さい」


石田さんだ。

社長と話してるの?

私が驚いていると、社長の声が聞こえてきた。


「だからさっきも言ったでしょ、その人気を確実なものにしたいのよ。
千夏がリィラの実の娘だって知れれば、インパクトは計り知れないわ」



え?



私がリィラの実の娘?