「シンデレラってさ、自分では何もしないでただ待ってるだけじゃない?
待ってれば魔法使いが現れて舞踏会に連れて行ってくれて、
待ってれば、家来がガラスの靴に合う娘を探しに来てくれて。
あたしは、そういう待ってるだけの子って嫌い。
欲しいものがあるなら、自分から取りに行かないと。
千夏ちゃんはさ、何千人のオーディションで選ばれたシンデレラガールってよく雑誌に書かれてるけど、待ってるだけの子じゃないよね?
自分から演技の勉強して、エライ子だって、評判よ。
違うの?」


ナッキーさん、演技の勉強のこと、いつの間に?

ナッキーさんには話してないのに。


でも、それはさておき、待ってるだけのシンデレラって言われるのは、私も悔しい。


「女は度胸よ!
愛嬌ももちろん必要だけどね。
今告白しないで、10年後、それを千夏ちゃんは後悔しないかな?」

「後悔?」

「そう。
将来、あの時告白していればファーストキスは本当に好きな人とできたかもしれないのにって後悔すると思うなら、今勇気を出して告白するべきよ」