女優デビュー

私は一気に全身の血が頭に上るのを感じた。


うっ、そのとおり。

そのとおりだけどっ!


「でも、奏真も、もう少し声の音量下げないとな。
アブナイやつだ」


え、もしかして……

学さんも聞いてた?


「あ、あの……」


私が問いかけようとすると、学さんは辺りを見回して、私の手を引いた。

「廊下で立ち話はまずい。
楽屋も防音に問題ありだしな。
送ってくよ。
車で話そう」

「え、でも……」

「詳しい話、聞きたくない?」


詳しい話?

学さん、何か知ってるの?

そりゃあ、聞きたい!