女優デビュー

なに?これ……

私は体を動かせなかった。

聞いちゃいけない。

そう思っているのに、そこから立ち去れないでいた。

奏真君の怒鳴り声はまだ続いていた。


「うるせーっつってんだろ!
おまえは黙って俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ」

「でもっ!
んんっ」

「こうして欲しいんだろ?」

「ダメ、こんなとこで……
ああっ!」


う、うそ……

な、なに?

どういうこと?

奏真君と淳君、中でなにやってんの?


その時、ひときわ大きな淳君の喘ぎ声が聞こえた。


「アアアーッ」


ひーーーっ!

思わず後ずさりし、悲鳴をあげそうになった私は、突然背後から口を押さえられた。