私が首をかしげると、ナッキーさんは諭すように話した。


「山本社長はすごく仕事のできる人よ。
でもね、手段を選ばないところがあるの。

今、彼女は悟君の人気を不動のものにしようと躍起になってる。
彼女の下にいる石田さんもそれは同じよ。
悟君以外のタレントは、正直どうでもいいって思ってるでしょうね。

だから、グラビアの彼女のようなことはあなたには起こらないと思うけど、でも、何をしでかすかわからないところがあるから、常に気をつけていて」


話を聞いているうちに、なんだか背筋がぞくぞくしてきた。

私はただ、頷くことしかできなかった。

芸能界がすごく怖いところに思えてきていた――