女優デビュー

「信じられないかもしれないけど、千夏ちゃんが本気になる前に奏真君からは手を引いた方がいいよ。
それより、私は悟君とか学君の方がオススメだな！」

最後は明るく言われ、私は微笑んだ。


悟君や学さんとだって別にどうともならないだろうけど、

でも、奏真君には気をつけよう……


「それにしても、ナッキーさん、情報通ですね」

私は気分を切り替えて、そう言った。


すると、ナッキーさんはにんまり笑った。

「まあね～
私みたいな人間のところには、いろんな情報が入ってくるのよ」


ちょっと自慢げに言うナッキーさんを見ていて、私はふと、思い出したことがあった。

業界の情報に詳しいナッキーさんなら、あのことも知ってるかも。

「ね、ナッキーさん、一つ聞いてもいいですか？」

私は思い切って質問した。