「おめでとうございます!
グランプリに輝いたのは
綿貫千夏(ワタヌキチナツ)さん
15歳、高校1年生です!」


司会者が張り上げた大きな声が会場に響き渡る。

同時に眩しいスポットライトの光が私の全身に当たった。



ええっ?


私?


ホントに?


信じられない……



呆然と立ち尽くしていると、赤いロングドレスを着たアシスタントの女優さんがティアラをかぶせてくれた。


「おめでとうございます!」


にっこり微笑む彼女の顔を見て、


私もこれからこういう笑顔を練習するのかな……


そんなことをぼんやり考えた。




こうして私は、

女優デビューすることになった―――……