その向こうに見える岬に、彼は立っていた。
(間違いない)
あの人だ…、あの動画で撃ち殺されてた人。
遠くにいるのに、分かる。あの人…笑ってる。
『おいで』
声がしたのは、画面に付いてるスピーカーだ。
「ちょっと、なにこれ…!」
画面に流れてるのは、赤い砂嵐。聞こえるのはあの人の…あの時の声だった。
「出よう…すぐ!」
ここにいちゃいけない。あの人がいるから。
「うん…!」
みんなも怖くなったのか、急いで鞄を掴んで立ち上がった。
全員で、雪崩みたいに部屋から飛び出した。何が何だか訳が分からないから…物凄く怖い。
昨日も聞いた、あの人の悲鳴が…耳から離れてくれない。
「おお、おまえ。元気にしてたか?」
(最っ悪の、タイミング…)
廊下にいたのは、生物学上は私の父親になる人。
だけど私は、この人を父親と思った事は一度もない…!!
「触らないで!汚らわしい……っ」
黒く汚れた掌が、私の頭に触れようとした瞬間…、その手を振り払った。
「お前、父親に対して何だその態度は?」
父親面する資格、アンタにあんのかよ?
(間違いない)
あの人だ…、あの動画で撃ち殺されてた人。
遠くにいるのに、分かる。あの人…笑ってる。
『おいで』
声がしたのは、画面に付いてるスピーカーだ。
「ちょっと、なにこれ…!」
画面に流れてるのは、赤い砂嵐。聞こえるのはあの人の…あの時の声だった。
「出よう…すぐ!」
ここにいちゃいけない。あの人がいるから。
「うん…!」
みんなも怖くなったのか、急いで鞄を掴んで立ち上がった。
全員で、雪崩みたいに部屋から飛び出した。何が何だか訳が分からないから…物凄く怖い。
昨日も聞いた、あの人の悲鳴が…耳から離れてくれない。
「おお、おまえ。元気にしてたか?」
(最っ悪の、タイミング…)
廊下にいたのは、生物学上は私の父親になる人。
だけど私は、この人を父親と思った事は一度もない…!!
「触らないで!汚らわしい……っ」
黒く汚れた掌が、私の頭に触れようとした瞬間…、その手を振り払った。
「お前、父親に対して何だその態度は?」
父親面する資格、アンタにあんのかよ?


