学校が終わって、携帯をみると新着メールが来ていた。
女子高生は、直ぐに開く習性を持っている。私だってそうだ。

 知らないアドレスだから、本来名前が出る所にアドレスが表示されている。

「誰か、アド変したのかな?」

 そう思ってしまえば、なんの疑いもなくそのメールを開いてしまった。

 本文には、たった一言。

『おいで』

 イタズラメールか、誰かがアドレスを間違えたのか。
いずれにしても、こう言う場合は無視に限る。

「ねえねえ、カラオケ行こうよ」

 今、お財布の中が寂しい感じになってるんだけど、ギリギリまで一人になりたくなかった。

「いいよ」

 私はその時、忘れてた。そのカラオケ屋さんの立地を。
この町でも、指折りの…あの岬がよく見える場所。