その人だけじゃなくて、私からしても無情な銃声は、もう一回。

「やだ、勘弁してよ…!」

 戻るボタンを押しても、戻ってくれないので、消す用の『×』ボタンを連打する。
でも、さっきと同じ音が押した数とするだけで、消えない。

『パアンッ』

 私だって辛いが、画面の中の人はもっと辛いだろう。足や腕を飛ばすばかりの銃声。
痛みが辛いらしく、『殺してくれ』と何度も叫んでいる。

「そうだ、電源……」

 シャットダウンメニューを開いて、『電源を切る』を連打してみるけど、結果はさっきまでと同じ。

『パアンッ』

 六回目の銃声が、漸く男の人の心臓を貫いた。
そこて、砂嵐が起きて…映像は、切れた。

「お、おわったぁ」

 終わってなんか、いなかった。

『一緒に、来てくれるよな?』

「え?」

 さっき、『殺してくれ』と叫んで声だ。間違いない。

「聞き間違い、だよね」

 怖いから、急いでお母さんたちのいるリビングへと降りていった。