私の夫は王になれない俺様

ハッとして、私は瞼を持ち上げた

真っ暗の室内で、寝息が耳元で聞こえる

ロバート様が隣で、寝ている

鍛えられてある腕が、私を守るように身体を包み込んでくれていた

…温かい

腕から、ロバート様の体温が伝わってくる

ロバート様に抱かれている最中に、私は気を失ってしまった

そのまま深い眠りに落ちてしまったのだろう

私は暗い部屋をじっと見つめた

裸の体に、布団をかけなおした

布団の動く音に、ロバート様の体がびくっと反応する

「イザベラ?」

擦れた声で、ロバート様が私の名を呼んだ

「はい?」

「行くのか?」

ロバート様の手がすっと私の体から、離れていった

「どこにです?」

知ってる

ジェイミーが駆け落ちの手紙を送ったって、ロバート様は知ってる

どうして…知っているの?