――ガラガラ

古い店の木戸が開く音がして、


そこに女の子が立っていた。


天然だろうが茶色い髪の毛に、雪が少しついている。

制服の短いスカートだから寒そうだった。


頬が赤い。

でもチークとかじゃなくて…


美人?


…いや美人だ。


美人でしかも、天使みたい。

ふわふわしてる。



「純、彼女だよ。さっき言ってた。

名前は…山本さんだよね?確か、山本葵さん」


「お世話になります。山本葵と言います。

タカシくんと…

お友達くん?」


『あ、俺、純』


「純くん?

あー神田くんかぁ。あたし1歳上なんだけど、

神田くんは有名人だよ。かっこいいって。

現物もかっこいいんだねー」


葵さんは、見かけによらず、よく喋る。

でも言葉の一つ一つが音楽を聞いているみたいで、全然苦にならない。


たまに天然ボケを発揮するけど、確かこの時もそうだった。

ローファーの色が右足は黒で、左足は茶色を履いていたっけ。