準備を終えたちなちゃんが
店頭に出て来た。

ボサボサの髪はゆるく
ポニーテールにアップされ
よく揺れていた。

「おはようっ」

向日葵のような笑顔で
あたしの肩を叩いてきた

ひゃぁッ!

変な声が出た。ボーッとして
いたのだ

アトム君を見ていたのだ



ちなちゃんに肩を叩かれて
気付いた。

あたし、アトム君を見ていた





「ど〜したの〜?」

真ん丸い目でちなちゃんが
あたしを見ている。

いや、なんでもない。
けど...

「けど〜?」

続きを求めてくる。

なんもなーいっ

あたしは答えなかった。

「なんじゃそりゃ!」

ちなちゃんはニカッと
笑った。八重歯がチラリ

この笑顔が最高に可愛いと
あたしは思う。