「……優しくして、ね?」

「努力する」


放課後の保健室。


「……痛くしない?」

「約束は出来ないけど、努力はする」


私とトモの2人きり。


「……トモ……」

ベッドに腰かけた私と。


「もういい加減、覚悟決めろよ」

向かい合わせでイスに座るトモ。



「だってぇ……」

無意識に目を潤ませると、トモは困ったようにため息をついた。


「俺に全部任せればいいから。……な?」

「……うん、信じる……」


その言葉でようやく覚悟を決めて、ぎゅっと目を閉じた。



トモが立ち上がる気配がして、私の足に手を置いた。


思わず肩がビクンと跳ね上がる。



「もし痛かったら、俺の肩つかんでいいから」

ベッドの上に置いていた手が、トモの肩に置かれた。


「ん……」



これから来るかもしれない痛みを思って、少しだけ強く肩をつかんだ。



「……いくぞ?」

「……ん」