「修ちゃん?」


私の声にトモが振り返る。


あっ、しまった……。


『智明に代わって?』

「え?」

『いいからいいから』


そう言った修ちゃんは、なんだか楽しそうにクスクス笑っていた。


「トモ、修ちゃんが……」


振り返ったトモに、おずおずと携帯を差し出した。


「は?」

「代わってって……」


なんなんだよ、って言いながら、トモは私から携帯を受け取った。


「もしもし?」


ちょっと不機嫌そうなトモの声。


「あ? あぁ……。はっ? バカなこと言ってんじゃねーよ……」


どこまでも不機嫌だ。


でも、ちょっとだけ顔が赤いような……。


短い会話が終わると、トモは私に携帯を差し出した。


「代われって」

「修ちゃん?」


受け取った携帯を耳に当てると、さっきと同じトーンの修ちゃんの声。





『千鶴。俺、千鶴のこと好きだよ』