キミのとなり。

「…………え」



気がついた時には、後から抱きしめられていた。


小さく震える私の手は、前に回されたトモの手にそっと包まれていた。


「ト……ちょ……」


今どういう状況になっているのか理解できない。


左肩に重みを感じる。


「待っ……て」

「何が?」


左耳に、息遣いと一緒にトモの声が聞こえる。



──手の震えは止まっていた。


でも、心臓は今までにないくらいドキドキと音を立てている。


「雷なんて、怖くねーよ」


トモは耳元でそう言うと、包んだ手に力を込めた。


「ト……」


なんで?


彼女がいるのに、こんなことするの?


「修平と、つき合ってんだろ?」

「え?」

「どうなの?」


どうって言われても……。


“つき合ってるのか?”って聞かれれば、それは違う。


でも、修ちゃんの気持ちは知ってしまった。


「修平は、昔から好きだったよ。お前のこと」

「えっ……」


トモは知ってたの?


いつから?


「アイツは見せないようにしてたみてーだけど。俺は……」


そう言うと、トモは一度言葉を切った。


俺は……何?


トモの腕の中で振り返ろうと、体を捻った瞬間──




トモの唇の端に、私のそれが触れた。