──バタン
その時、小さくドアの音が──したような気がした。
修ちゃんは小さく笑って、そっと頭をなでてくれた。
「……っ」
その手があまりにも優しくて、こらえ切れなくなって溢れた涙が膝を湿らせた。
「……ごめっ」
泣くつもりなんてなかったのに……。
「ちづ」
昔の呼び方で呼ばれ、頭をなでていた手がふと離れたかと思ったら、顎をくいっと持ち上げられた。
涙の溢れた目で見上げた修ちゃんはぼんやりして見えた。
「修……ちゃ……」
修ちゃんの大きな手が私の両頬を包む。
瞬きをしたら、ギリギリを保っていた涙が頬を伝って落ちた。
男の子にしては細い指が、涙の筋をそっと拭ってくれる。
「修ちゃん……」
顔を右に傾けたり、左に傾けたりしながら丁寧に拭ってくれる。
……まるで、角度を変えてキスしてるみたい……。

