「ごちそうさまでした……っていいの? ホントにごちそうになっちゃって?」


お腹いっぱいになってファミレスを出て、後ろにいる修ちゃんを見た。


「たまにはね」


そう言って微笑む修ちゃん。


でも……2人で何かをする時、いつも出してもらってる気がする。


「コンビニ寄って帰る?」

「ん? なんで?」

「DVD観るのに何かいるかなーと思って」

「あ、そっか。そうだね」



私たちはコンビニに寄るために駅の方に足を向けた。


「あっちのコンビニ行こう」


私はそう言って、駅のすぐ横にあるコンビニを指さす。


あそこのスイーツ、結構おいしいんだよね。


修ちゃんのカバンをちょこんと掴んで、駅に向かって歩き出した。


「修ちゃんは何か買うの?」

「メシは食ったし、コーヒーもあるしなぁ……」


そんな会話をしながら、なんとなく視線を駅に向けた。


──……。


カバンを掴んだまま私がいきなり立ち止まったから、修ちゃんはガクンと後に引っ張られる格好になった。


「千鶴?」


急に足を止めた私を、修ちゃんが不思議そうに覗き込んだ。





「……智明?」


そう。

視線の先にはトモがいた。



──北川先輩と一緒に。