「ねぇ?」

「ん?」


外を眺めていた修ちゃんがこっちに視線を向けた。


「修ちゃんさ……、彼女とか、いないの?」

「何? いきなり?」


目を見開いて驚いている。


「や、別に、深い意味はないんだけど……。じゃあ、好きな人、とかは……?」


修ちゃんにこんなこと聞いてみても平気。


だけど、これがトモだったら……どうなのかな?


「そういう千鶴こそどうなの?」

「私!?」


いきなり話の矛先を変えられて焦ってしまう。


「彼氏、いないの? せっかく共学なのに」

「共学だけど……」


彼氏のいる友達は、もちろんいっぱいいるけど、私は……。


「お待たせ致しました」


核心に触れる前にカルボナーラとグラタンが運ばれてきて、それぞれをシェアしながら食べた。



結局、修ちゃんの彼女も好きな人も、謎のまま。