「たまご焼きと……って、なんで脱いでんのよ!?」


布団を整え終わって振り返った私の目に、細いけど引き締まった彼の背中が映って、びっくりして思わず大きな声を出してしまう。



「なんでって……制服に着替えんだよ」



……寝起きの彼はホント、どうしようもない。


私だって一応年頃の女の子だってこと、わかってんのかな……。


「先! 顔洗うのが先!」


赤くなっていそうな、熱を感じる顔に気づかれないようにドアを指さした。


「……いちいちうっせーな」


上半身裸のまま頭をガシガシしながら、ようやく彼は動き出した。



バタン



「トモのバカ!」


閉まったドアに向かって叫ぶ私。


長谷川千鶴。

高校2年生のフツーの女の子。