キミのとなり。

「……こないだ?」


トモが何のことを言っているのか、さっぱり見当がつかない。


「熱出した時の……」

そう言われてようやく、あの時のことが鮮明に蘇ってきた。


今思い出すと恥ずかしくてしょうがない……。


とにかくあの時は、トモに傍にいて欲しい一心だった。


「具合悪くて心細くなっただけ? それとも……もういい?」

「……しっ、知らない……!」

「千鶴の全部が欲しいんだ。心も体も……全部」


そう言ってトモは、回した腕にぎゅっと力を込めた。

それと同時に、心臓もぎゅっと締め付けられた。


背中に、鼓動の早いトモの心臓の音を感じた。



「……待ってるって言ったのに、バカだな……俺」


小さく笑うと、トモは私の体に回していた腕をゆっくり解いた。


「ゲームでもするか? それとも……」



右肩から顎が離れ、私を覗き込むように顔を傾けたトモの唇に、私は自分の唇を押し当てた。


「……ち……」


軽く触れるだけのキスだったけど、トモは驚いたように目を丸くした。