脱衣所から勝手にタオルを取って濡らし、運良く見つけた冷却シートを持って部屋に戻った。


さっきと変わらない体勢で寝ている千鶴を見て、ほっと息を吐く。


起こさないようにそっと濡れタオルで顔を拭いて、額にシートを張ってやると、穏やかな表情になった気がした。


髪を撫でながら、その寝顔を見つめる。



……さっきのあれ。

マジで、なんだったんだ……。


熱に浮かされて心細くなっただけなのか?


それとも……酔った勢い、的に誘われたのか……。



──いやいやいや。

「……やべぇだろ……」



熱出して寝込んでる千鶴に対して、なんてこと考えてんだろう。

こそれじゃ俺、サル以下じゃん。



──でも。


ふいに、朝の修平の言葉が蘇ってきた。


“大事にし過ぎ”

“不安がってた”



──……。



それって、俺と千鶴の関係、ってことだよな?


何であいつがそんなこと知ってんだ?


宙を彷徨っていた視線を、眠っている千鶴に向けた。



……まさか、な。