「朝だよ! 起ーきーてー!」

寝ている肩を大きく揺らし、勢いよく掛け布団をめくろうとする私と。



「ん〜……あと5分……」

壁に向かって寝返りを打ちながら、だけど、その掛け布団を足の間にしっかり挟んで離さない彼。



「ダメ! 遅刻するって……ばっ!」

力を振り絞って、私は彼から掛け布団を剥ぎ取ることに成功した。




「…………怪力」


勝負に勝ったような気分でいたら、ぼそっと掠れた声がした。



「何か言った!?」

「……なんでもないっす」


彼はもぞもぞと上半身を起こし、ベッドの端にちょこんと座った。


……まだ寝ぼけてる?


「修ちゃん、先に朝ごはん食べ始めちゃってるよ」


剥ぎ取った布団をきれいに整えながら、まだベッドの端に座ったままボーっとしている彼に声をかける。



「朝メシ何?」