「ねえ、聞いてる?」
と王子は心配そうに言った。
「え? え?
…なに?」
「僕たち、これで正式につき合うことになったんだから、携帯の番号とメールアドレスを交換しようよ」
「…え? それだけ?
…儀式は?」
「ぎしき?
…ぎしきって?」
キスの儀式はなかった。
夕食のお誘いも、なし。
次のデートの約束すら
……なかった。
ケータイの番号とメールアドレスを交換して、あっけなく別れた。
その後、どうやって
家に帰ったのか
記憶がない……
気がつくと
私は部屋で倒れていた。
ゆかたの帯がほどかれ、だらしない姿で目がさめる。
はあああ……
扇風機の風が
気持ちいい…
目の前には、スポーツ飲料の 『ポカポカ・スエット』のペットボトル。2リットルのボトルがカラッポになって転がってる。
さっぱり覚えてないけど…この『ポカポカ・スエット』は私が買ってきたの? そして私が一人でぜんぶ飲んだの?
…うっ…ううっ…トイレに行きたい…やっぱり私が飲んだのか…
トイレの中で、今夜の出来事をふりかえる。
まず…
ユッコと夏祭りに行くはずだったでしょ…
急にキャンセル…
ポカポカ・スエットを
帰り道で買い…
家に帰って
いっき飲み…
その後、眠ってしまい…
王子さまと夏祭りに行く夢を見た
頭がハッキリしてきた。
うんうん、そうだ、そういうことだ。私は夏祭りには行かなかったんだ。
それにしても王子さまと二人で夏祭りに行く夢を見るとは…なんとも恐ろしい夢だった。
トイレから出たところでケータイにメール。
きっとユッコだ。今夜の夏祭りをキャンセルしたおわびだろう。
「ユッコめ! あんたのせいで、ひどい夢にうなされたんだぞ!」
などと思いつつメールを見る。
……うげっ!
王子さまだ!
王子さまからメールが!
と王子は心配そうに言った。
「え? え?
…なに?」
「僕たち、これで正式につき合うことになったんだから、携帯の番号とメールアドレスを交換しようよ」
「…え? それだけ?
…儀式は?」
「ぎしき?
…ぎしきって?」
キスの儀式はなかった。
夕食のお誘いも、なし。
次のデートの約束すら
……なかった。
ケータイの番号とメールアドレスを交換して、あっけなく別れた。
その後、どうやって
家に帰ったのか
記憶がない……
気がつくと
私は部屋で倒れていた。
ゆかたの帯がほどかれ、だらしない姿で目がさめる。
はあああ……
扇風機の風が
気持ちいい…
目の前には、スポーツ飲料の 『ポカポカ・スエット』のペットボトル。2リットルのボトルがカラッポになって転がってる。
さっぱり覚えてないけど…この『ポカポカ・スエット』は私が買ってきたの? そして私が一人でぜんぶ飲んだの?
…うっ…ううっ…トイレに行きたい…やっぱり私が飲んだのか…
トイレの中で、今夜の出来事をふりかえる。
まず…
ユッコと夏祭りに行くはずだったでしょ…
急にキャンセル…
ポカポカ・スエットを
帰り道で買い…
家に帰って
いっき飲み…
その後、眠ってしまい…
王子さまと夏祭りに行く夢を見た
頭がハッキリしてきた。
うんうん、そうだ、そういうことだ。私は夏祭りには行かなかったんだ。
それにしても王子さまと二人で夏祭りに行く夢を見るとは…なんとも恐ろしい夢だった。
トイレから出たところでケータイにメール。
きっとユッコだ。今夜の夏祭りをキャンセルしたおわびだろう。
「ユッコめ! あんたのせいで、ひどい夢にうなされたんだぞ!」
などと思いつつメールを見る。
……うげっ!
王子さまだ!
王子さまからメールが!
