その夜──ベリルが寝ていると、静かに入ってくる気配に上半身を起こす。

 外からの侵入者ではない、殺気も敵意も感じない。

「どうした」

 うつろな瞳でジッと立っているノインに問いかける。

 しかし、のぞき込んだ瞳に何かを感じ取ったベリルは、ノインの手を取りベッドに座らせた。

 優しく抱きしめると、ノインも強く抱きしめ返した。

 無言のままのノインに何も言わず、頭をさすってやる。